秩父鉄道浦山口駅から1km、国道140号線の南側に第29番札所の長泉院はある。境内はゆったりとしており、本堂左右の竹林が涼しげで、風の音が心地よい。本尊の聖観音は藤原時代の作とされる。
1234年に性空上人が秩父巡礼の際に、石札を納めたことから「石札堂」といわれる。石札は「石札定置巡礼」と彫られ、寺宝として本尊前に安置されている。堂内の天井は一見、千社札を貼ったように見えるが、実際は文字を彫って黒漆を塗った納札天井だ。参道入口左手の石碑の後ろには、咲かなくなった花が再び咲くようになったことから、「よみがえりの一本桜」と名が付くシダレザクラの古木がある。