第22番札所の童子堂は永福寺ともいわれ、秩父市街地より荒川をはさんで北西の位置にある。参道入口には石仏が鎮座し、来る者を迎えてくれる。茅葺きの仁王門に立つ仁王像の思わず笑ってしまう愛らしさは、童子堂ならでは。
華麗な建築の観音堂は、江戸中期のもの。正面の唐戸に風神雷神、迦陵頻伽の浮彫りが見られる。童子堂の由来は、かつて堂が旧蒔田村の清水谷の山奥にあった頃、子どもたちの間に天然痘が流行り、観音を祀って祈念し、岩間から湧く清水をつけたところ病がたちまち治ったという。延喜年間に移されて以降、子どもを病魔から救う観音として童子堂と呼ばれるようになった説がある。本尊は聖観音。